ガーデンデザインの基本【第4回】:宿根草の庭づくり、色と質感の組合せ方――花だけじゃない、葉で魅せるガーデンデザイン
庭の印象を決めるのは、花の色だけではありません。葉の手触り、光沢、色味――こうした「質感(テクスチャー)」を意識すると、ガーデンデザインの奥行きがぐっと広がります。今回は宿根草を使った色と質感の組み合わせ方を、具体的なコツと一緒にお伝えします。

花色だけに頼らない庭づくりのコツ
花壇に色とりどりの花を植えたのに、なぜかごちゃごちゃして見える。そんな経験はありませんか。原因の多くは、花色同士が直接ぶつかり合っていること。花と花のあいだにシルバーリーフやカラーリーフを一つ挟むだけで、カラーバランスがやわらぎ、全体がすっきりとまとまります。
プロのガーデナーが「葉もの」を大切にするのはこのためです。花の季節は限られますが、葉は春から秋まで、ものによっては冬もずっとそこにあるもの。葉色を植栽デザインの軸に据えると、花が少ない時期も庭が寂しくなりません。
テクスチャーで庭に表情をつくる
テクスチャーとは、植物の見た目の「手触り感」のこと。ふわふわした葉、つやのある硬い葉、細く繊細な葉――同じ緑色でも質感が違えば印象はまったく変わります。
似たテクスチャーの植物ばかり並べると単調になりがちですが、異なる質感を隣に置くと互いの個性が引き立ちます。たとえば、ふわふわした銀色の葉の横に、つやのある濃い緑の葉を持つ植物を配置する。それだけで花壇にリズムとコントラストが生まれます。
実際の庭で使える植物の例
ここでは「テクスチャー」「花のバイカラー」「カラーリーフ」の3つの切り口で、庭のカラーバランスを変えてくれる宿根草をご紹介します。

ラムズイヤーは、テクスチャーを語るとき真っ先に名前が挙がる宿根草です。名前のとおり、子羊の耳のようなふわふわの銀白色の葉が特徴。実際に触ると本当にやわらかく、ベルベットのような手触りに驚きます。草丈は葉だけなら40cm、花茎が伸びると70cmほど。この銀色の葉が花壇に入ると、隣り合う花色同士のカラーバランスを取る「仲裁役」として働いてくれます。濃い赤やピンクの隣ならコントラストが映え、パステルカラーの隣ならやさしいグラデーションに。乾燥にも強く手間いらずなので、初めてのガーデニングにもおすすめです。

花色そのもののコントラストで庭にアクセントを加えたいなら、ゲーラーディア’ゴブリン’の出番です。赤い花弁の縁が鮮やかな黄色に彩られ、盛夏から晩夏にかけて次々と花を上げます。草丈30〜40cmで前景から中景に使いやすく、暑さにも寒さにも強い頼もしい品種。このバイカラーの花は、先ほどのラムズイヤーの銀葉の隣に植えると互いが引き立ち合い、赤・黄・銀の3色が織りなす景色は格別です。切り花にも向くので、庭の彩りをそのまま食卓に飾れます。2〜3株まとめて植えると色の面がしっかり出ますが、株間は30〜40cmほど確保して風通しを保ちましょう。

花に頼らず葉色だけで庭を彩るなら、ハコネクロア’オレオラ’(フウチソウ斑入り)がぴったりです。緑と黄金色の斑が入った細い葉がしなやかに垂れ下がり、風に揺れるたびに光を受けてきらきらと表情を変えます。草丈45〜60cmの中景向きで、半日陰を好む性質は、日の当たりにくい場所を明るく見せたいときにうってつけ。秋には葉がほんのり赤みを帯びて、季節の移り変わりを教えてくれます。初めてなら1〜2株から始めて、翌年の広がり具合を見ながら追加していくのが安心です。
まとめ
花色だけでなく、葉の色やテクスチャーにも目を向けると、ガーデンデザインの引き出しが一気に増えます。銀葉で色をつなぎ、カラーリーフで季節を通じた彩りを確保し、バイカラーの花でアクセントをつける。次に苗を選ぶときは、花だけでなく葉の質感にもぜひ注目してみてください。
大森ガーデンについて
この記事でご紹介した品種は、北海道広尾郡広尾町にある宿根草専門ナーセリー「大森ガーデン」で生産しています。通販サイトでは900品種以上の宿根草を取り扱っていますので、ぜひお気軽にのぞいてみてください。
庭づくりで迷ったときは、お気軽にご相談ください。「この植物の隣には何が合う?」「うちの庭の日当たりでも育つ?」など、品種ごとの性質や組み合わせについてのご質問をよくいただきます。一緒に考えますので、どうぞ遠慮なく。











